ヴィッツ初代(SCP10-NCP10系)

ヴィッツの初代はSCP10/NCP10系で、1999年から2005年まで生産されました。それまでのトヨタの殻を破ったクルマとして、20世紀最後の傑作なのかもしれません。

1999年1月に初代ヴィッツが発売された当時は、「ほんとにトヨタ車なのか」といった印象が強い自動車でした。

発売当初のヴィッツは、1000cc4気筒DOHC16バルブで70psを発揮する、1SZ-FE型のモデルのみでした。

そしてヴィッツは1999-2000日本カー・オブ・ザ・イヤーをプラッツ、ファンカーゴと共に受賞しています。これはトヨタとしては初の3連覇となり、まさにヴィッツが世に与えた影響力を示した功績でしょう。

1999年8月になるとヴィッツは1300ccの2NZ-FE型エンジンを搭載した、4WDモデルを追加発売します。エンジンのパワーアップと共に、冬に向けての寒冷地を意識した仕様だったのかもしれません。

10月になるとトヨタは、インターネット限定で「ヴィッツユーロスポーツエディション」を発売します。まさにネット時代に先駆けての販売方法でした。

このユーロスポーツエディションには、欧州仕様であるヤリスのサスペンションを流用しています。

当時の日本仕様には省かれていたスタビライザーを装備し、ヨーロッパのコンパクトカーを意識した設定になっています。

2000年5月には外装色ペールローズメタリックオパールが、「第2回オートカラーアウォード2000」で、見事にグランプリ&オートデザイナーズ賞を受賞しています。

ヴィッツは10月になると1500ccの4気筒DOHC16バルブで110psを発揮する、1NZ-FE型を搭載したスポーツグレード、RSをラインナップに加えています。

またRSには1300cc4気筒DOHC16バルブで87psを発揮する、2NZ-FE型を搭載したモデルも存在しています。2001年12月になると、ヴィッツはフェイスリフトを含む初めての大きなマイナーチェンジを行ないました。

2004年2月3日には、1300cc4気筒DOHC16バルブの2SZ-FE型とCVTを組み合わせ、アイドルストップ機構付の「ヴィッツ U "インテリジェントパッケージ"」が省エネ大賞を受賞しています。

トヨタは惜しみなくエントリー車のヴィッツに、次々と先進技術を投入していくのです。

ヴィッツはスターレットに換わり、トヨタの入門コンパクトカーとして大ヒットを飛ばしたコンパクトカー。ヴィッツが切り開いたコンパクトカー市場は、現在も需要が継続しています。

またヴィッツの成功から、ホンダのフィット、日産マーチ/キューブ、マツダデミオなど、ライバルも同時に進化を続けています。

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